「今日はトリートメントはどうされますか?」美容室に行くとよく聞く言葉。
「前髪自分で切りました?」と1、2を争うくらいよく聞かれる言葉だと思います。
そんな美容師のあいだではお決まりになりつつあるフレーズですが、みなさんは、
- 「なぜ美容師さんたちは予約していなくても、トリートメントをやるかどうかきいてくるの?」
- 「そもそもトリートメントをする意味って?」
と思ったことはありませんか?
もし思ったとしてもなかなかその場で直接は聞きづらいですよね。
実際すすめられるがままに、よくわからないままトリートメントの施術を受けてモヤモヤしている方もいるかもしれません。
ですがご安心ください。美容師さんたちは押し売りがしたいのではなく、本当にお客様の髪の毛のためを想って「今日はトリートメントはどうされますか?」ときいています!
そこで今回は
「美容師さんたちがなぜトリートメントをすすめてくるのか」、「本当にトリートメントは必要なのか」
そんな疑問に現役美容師の観点から2つのポイントに絞って解説していきたいと思います♪
この記事では美容師歴11年目の私ができるだけ分かりやすく解説していきます。
目次
□トリートメントって本当に必要?
まずはサクッと結論からいきますと
トリートメントは確実に必要です。どんな人でも必ずやった方が良いです。
上記の通り美容師さんの営業とかではなく、理由としては髪がダメージしていない人は99%いないからです!
「私は生まれて1度もカラーもパーマもしたことないけどダメージしてるの?」
そんな風な声も聞こえてきそうですね。
もう一度言いますが、人それぞれ程度の差こそあれ髪がダメージしていない人は99%いません!
その理由を2つのポイントに絞って説明していきます!
・ポイント①髪はめちゃくちゃデリケート!
1つ目の理由は、みなさんの思う何倍も髪がデリケートであることです。
髪の毛ってかなり脆く、イタみやすいんです。ケアを怠ると本当に簡単にダメージ毛になってしまいます。
なぜそんなにイタみやすいと言えるのか?髪の毛の成分のお話をさらっとさせてもらいますね。
髪の毛はタンパク質でできた3層構造の、のり巻きのようなカタチをしています。
そしてのり巻きでいう
お米の部分に、髪のしなやかさや弾力を保つのに必要なCMCという成分が
海苔の部分に、髪を保護したり手触りをよくしたりするのに必要な18MEAという成分があります。
この2つはどちらもサラサラで綺麗な髪の毛に必要不可欠な重要な成分です。
- 「CMC」→髪の毛のしなやかさや弾力を保つ
- 「18MEA」→髪の毛の保護、手触りを良くしてくれる
しかしそんな“CMC”と“18MEA”には弱点があります。それはなんとビックリ、
CMCは水に弱く、18MEAは熱や摩擦に弱いのです。
つまり、シャンプーしたり、ドライヤーをかけたり、髪をさわって摩擦を起こしてしまったり
日常生活を送るだけで2つの成分は失われ髪の毛はダメージしてしまうんです!
- 綺麗な髪の毛のために必要な「CMC」「18MEA」は日常生活を送るうちにだんだんとなくなっていってしまう
「いくらなんでも脆すぎる!」と思うかもしれませんが、そのくらい髪の毛ってデリケートなんです。
そして当然のように薬剤にも弱いので、カラーやパーマをしている方は目に見えてダメージがわかるようになります。
カラーやパーマのあとに手触りが悪くなったり、髪の毛が硬くなったりするのは“CMC”と“18MEA”がなくなってしまったからなんです。
このように綺麗な髪の毛に必要な成分が日常生活の中でなくなっていってしまうことが原因で、髪がダメージしていない人は99%いないと言えます。
つまりトリートメントをしなくていい人はいないんです。
なのでほぼ必ずと言っていいほど美容室では「今日はトリートメントはどうされますか?」と聞かれるわけですね。
実際、美容師として長年さまざまなお客様を担当してきましたが、ダメージしていない髪の毛は見たことがないです。
※ちなみにダメージしていない人は“99%”いないと表記しましたが、CMCと18MEAは日常生活の中で少しずつ失われていくので、極端に髪の毛が短い方には当てはまらないと思い、“99%”と表記しました。
・ポイント②髪の毛はもともと死んでいる?
2つ目の理由は、髪の毛が死んだ細胞であること。髪の毛はいわゆる死滅細胞と呼ばれるもので、生えてきた時点で死んでいます。
「どういうこと??」って感じですよね。
つまり何が言いたいかというと、髪の毛というのは伸びてくるだけの細胞で、他の生きてる細胞と違って髪の毛はケガ(ダメージ)をしても自ら回復することはありません。
子供の頃、転んでヒザを擦りむいたとき、血が出ていたとしても数日後にはカサブタができて綺麗に治りましたよね。
しかし髪の毛にはそうしたことは一切おきません。
- 髪の毛は生きてる細胞ではないので、ケガ(ダメージ)をしても自ら回復することはない
なので、
- いかにしてケガ(ダメージ)をさせないようにするか
- ケガ(ダメージ)をしてしまったとしても、どうやってケガ(ダメージ)をする前の状態に近づけるか
この2点が大切で、どちらにも有効なのがトリートメントなのです。
何が言いたいかというと、
髪の毛はケガ(ダメージ)をしても自ら治ることはないので、ケガ(ダメージ)をしないように保護し、万が一ケガ(ダメージ)を負ってしまったとしても手ずからトリートメントをして補修しましょうってことです。
ケガ(ダメージ)をしてしまったのに、なんの手当もしないとケガ(ダメージ)はひどくなるばかりになってしまいます…。
ちなみに厳密にいうと、髪の毛は死滅細胞である以上回復することはありません。そのため“修復”ではなく“補修”という言葉を使います。
以上2点がどんな人にもトリートメントが必要な理由となります!
少し難しいお話もでてきましたが、みなさんの疑問を解決できる助けになっていれば幸いです♪
ここからはトリートメントを使う際のお話になりますので、ご興味のある方は引き続きお読みください!
・トリートメントは週に何回やればいいの?
トリートメントの頻度は諸説ありますし、使用するものによっても変わってしまうのですが、私個人の意見としては日常生活を送るだけでダメージを受けてしまう以上トリートメントは毎日やることをおすすめします。
綺麗な髪の毛でいるために必要な“CMC”と“18MEA”は毎日少しずつ減っていくので、手間がかかりますがトリートメントで毎日補充するべきなのです。
・美容室?家?どちらでやればいいの?
「髪の毛が傷んでいるからトリートメントをしたいんだけど、美容室でやるのと家でやるのどちらが良いんだろう?」
こんなふうに思ったことはありませんか?
美容室でトリートメントをするとサラサラになりますが、頻繁には通えませんし値段が結構かかります。
反対にホームケアはドラッグストアで比較的安価で購入でき手軽に毎日ケアできますが、効果があるのかないのかよく分からないことがあります。
それぞれメリット・デメリットがありますね。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ホームケア | ・毎日行える | ・あまりトリートメントの効果が出ない場合がある |
美容室でのケア | ・美容師さんがダメージを見極めて適切な処置を行うので効果的 | ・高価なことが多い ・頻繁には通えない |
トリートメントは毎日やるべきだとお伝えしました。そして人それぞれ髪質、ダメージの仕方は異なるので個々人に合わせたトリートメントが必要です。
そのためここでの最善の方法は「美容師さんに選んでもらった適切なホームケア用品で、家でのトリートメントを毎日行う」ことです。
この方法が一番効果的で確実に髪の毛を綺麗にできます。
実は、美容室でのトリートメントを行って頂けるお客様でもホームケアをあまり重視していない方が結構な数いらっしゃいます。
これかなりもったいなくて、せっかく美容室で高いお金を払って良いトリートメントをしても
ホームケアを怠ることで綺麗の賞味期限はかなり短くなってしまいます。
正直耳の痛い話ですが、美容室でトリートメントを行ったとしてもモチは長くても2週間程です。
同じ値段で「美容室でトリートメントをするか」「ホームケア用のトリートメントを買うか」であれば、私個人としては後者をおすすめします。
美容師さんにおすすめされるものは比較的高価になってしまうことがあるかもしれませんので、事前に予算を伝えて美容師さんに相談してみてください。
□まとめ
髪の毛は非常にデリケートであり自己修復はできないのでトリートメントは99%の人に必要なものです。
美容師さんはこのことを知っているので、予約で入っていなくても「今日はトリートメントはどうされますか?」と必ず確認しているんです。
ですがもちろんするしないは個人の自由ですので、どうするかは気負わず美容師さんにお伝え下さい♪
ちなみにダメージをなくすために美容室でできることはトリートメントをするかカットするかの2択になります。
カットするしかなくなる前にトリートメントを使って髪の毛を守ってあげてくださいね♪
最後までお読みいただきありがとうございました!
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